急いでいるときに限って空間から消失してしまう靴下。準備が整わない焦りから、「このままじゃデートに遅れて彼女が待ち合わせ場所でタンクトップのマッチョに声をかけられその場は軽くいなすけれども後々筋肉のことを思い出して筋トレに目覚めシックスパックを手にしてしまうかもしれない」と、テンパり放題の方も多いのではないでしょうか。
妖怪や妖精、靴下しまいおじさんなど、さまざまな原因が考えられる靴下の消失ですが、私たちは一体どのように靴下ロスに対処すればよいのでしょう。
このページでは、靴下ロスの原因別に対処法を分析し、あらゆるケースに最適なソリューションを提供します。
【ケース1】原因が物の怪の類である場合
妖怪や妖精、靴下しまいおじさんなど、靴下が消える原因が物の怪の類である場合はどうしたらよいでしょう。
対応策を考える前に、そもそも靴下しまいおじさんが物の怪であるのかどうか、ということを解明していく必要があります。靴下しまいおじさんが物の怪ではなく、理性的な存在であれば言葉で靴下をしまわないように説得すればいいだけですし、言葉が通じない存在であれば、それは物の怪と何が違うというのでしょう?
言葉が通じるか否かということが人間と物の怪とを分かつポイントであるのなら、もっとも人間的な存在は言葉を巧みに用いる詐欺師ということになるでしょう。そうであるなら、靴下しまいおじさんと詐欺師は違うものですので、靴下しまいおじさんは物の怪の類に分類されてもいいように思えるかもしれません。
しかし本当に、靴下しまいおじさんと詐欺師は別物なのでしょうか。あると想定されていたはずのものを隠してしまうというのは、ある意味では詐欺的な行いです。しかし別に何か金品をだまし取っているわけではないですから、靴下しまいおじさんは物の怪の類に分類されると言えるでしょう。
【ケース2】原因が自分自身にある場合
靴下ロスの原因が自分自身にある場合は、対処法は簡単です。靴下をきちんと収納すればトラブルを未然に防ぐことができるでしょう。しかし、自分の行為の原因は、本当に自分自身にあるといっていいのでしょうか?
私たちはつねにある環境のなかに放り投げられており、自分自身の環境を100%自分で決定することはできません。親が選べないことはもちろんですが、自分で選んだはずの学校や就職先も、「こんなはずではなかった」と思うことがしばしばあります。
そもそも何かを選択するにおいても、自分の生まれ持っての能力や特性などにより、選択肢はあらかじめ限定されているのです。自分自身がどう行動するかという意志は、ほとんどの場合「自分に由来するのではない要素」の影響を受けています。
なんだか悲しくなる話ですが、そんなときはスヌーピーの言葉を思い出しましょう。
“配られたカードでwhatever it means.“
【ケース3】原因がオカンである場合
最後のケースは、靴下ロスがオカンの親心に由来しているケースです。よかれと思ってオカンが部屋を片付けた際に、本人の意識が及ばぬところに靴下がしまいこまれてしまう……人を救うはずの良心が、人を傷つけるというのは、なんとも痛ましい事態です。
若い時は親心などわからず、「余計なおせっかいで混乱させんなよ」とか尖り散らした心を抱いてしまうこともあるかと思います。しかし、ちょっと待ってください。靴下を勝手にしまったのは本当に、オカンだったのでしょうか?気付いていないだけで、靴下しまいおじさんだったのではないでしょうか。
そう、靴下しまいおじさんは、靴下をしまったのがオカンだったと思い込むあなたの矮小な想像力に、かすかに差し込む一筋の光です。
このことに気づいたとき、あなたの心のモヤモヤは一掃され、明るい未来へのビジョンが切り拓かれていくことでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?“大切なものはinvisible pour les yeux.”と星野大路様は言いましたが、まさしくその通りでしたね。オカンと靴下しまいおじさん、大切なものはその「間」にあります。靴下ロスに、必ずしも明確な原因があるとは限りません。ちょうどそれは、さまざまなモノマネ番組に必ずしも清水ミチコが出演しているわけでなないのと同じです。
原因の見えない自らの不遇を、これからも愛しましょう!